先日、モクサアフリカという、アフリカで蔓延する結核をお灸で治療する活動を進めている団体のチャリティー講演会に参加させていただきました。
以前から、お灸をどう使っているのか興味があり、ようやくタイミングが合って聴講してきました。
結核は、衛生面が行き届いていない環境や、栄養面でも恵まれない場所で流行する疾患で、世界的にはHIVに次いで死亡率の高い感染症だそうです(世界保健機関(WHO)2015年3月)。分布は均一でなくアジアやアフリカなどで感染者は80%をしめ、アメリカなどでは10%ほどだそうでうす。日本でも衛生面・栄養面で恵まれなかった昭和初期ごろまで不治の病とされていたそうです。(そう言えば、よく昔の映画を見ていると、結核で倒れてしまうシーンをよく見かけた気がします。。。)
結核は抗生物質が効き、日本では昭和初期にペニシリン(抗生物質)が普及して患者数が激減したのですが、現在、アフリカでは耐性菌が現れてい、2、3種類の抗生物質が効かない多剤耐性菌だけでなく、4種類以上の薬が効かない超多剤耐性菌まであるそうです!!(『超』がつくなんて、名前からして怖いですよね〜〜)
その点、お灸は自己免疫力を上げるので、治療費が抑えられるだけでなく耐性菌ができる心配のない治療法なので、より啓蒙していきたいとのことでした。(ふむふむ。)
お灸の方法なのですが、なんと、日本のお灸博士の方法を取り入れているとのことでした。
昭和26年に結核予防法ができるまで日本では結核が国民病とまで言われていた頃、お灸の研究していた原志免太郎医師が、結核に感染したウサギに灸をすえたら抵抗力が増すことを突き止めた論文を1929年に発表されました。この論文で、当時お灸博士として有名になった方です。その著書が、英語に翻訳されていてモクサアフリカの代表の方がお読みになり、実践するようになったそうです!
そして、その方法はとてもシンプルで、足三里というツボに米粒大のお灸をすえるだけ!というのです。
この方法は、私も知人鍼灸師に教わって、風邪で喉が痛い時によくやってもらったり、ご希望の患者さんにはさせていただいていたのですが、モクサアフリカでも同じことをしていたのね!!とちょっと嬉しくなりました♪
そして、今回の講演では、アフリカでの臨床研究の一部のデータを見せていただきました。
抗生物質で治療開始した結核患者さんをお灸をする群としない群に分けて、血液検査で免疫機能を表すCD4陽性T細胞という項目の変化を調べたデータなのですが、
6ヶ月間、お灸をしていた群の方がCD4陽性T細胞の値がより上がっており、免疫力が上がっているということだそうです!
改めて、足三里のお灸は免疫力をあげるんだわ〜!と。
そして、改めて、鍼灸の素晴らしさを実感!
これからは足三里のお灸を自信を持ってオススメできそうです♪
調子の悪いときはお薬を使わなくてはいけないこと、その方が治るのも早い事も多いです。
けれども、日頃から免疫力を高めておくこと、また、自己免疫力を高めて病と戦うことも体には必要なのかも知れません。
ご縁のある皆様が、昨日よりも今日、今日よりも明日を、心身ともに健康で美しくお過ごしいただけますように・・・